結局の所、僅か一ヵ月半にも満たない今回の旅行でインドの何が分かったとは言えないけれど、
ちっぽけな自分なりに感じれた事はあった。
まず驚いたのが人々の多さだ。とにかくどこに行こうともあのなんとも言え無い濃い顔の嵐。
町はその許容量を超え、道路の脇には行き場の無いゴミが溜まり、空気は汚れ夜になると車のライトが
まるで霧の中にいるみたいにぼやけて見える。
道にはリキシャ、バイク、牛、馬、ラクダなどあらゆる「移動手段」が溢れている。
インド人を定義できる事といったらそれらの無秩序状態を当たり前に捉え平然としていられるかどうかだろう。
私達が当たり前に感じていた物事の良し悪し、いわゆるマナー(これも西洋的な意味合いになってしまう)が存在しない。
法律の外、いわゆる世間のいざこざをスムーズにまとめる為に存在するはずである物が無い。
列に並んでいても横入りは当たり前。信じられないかもしれないけど町のど真ん中で、大の大人が立小便はするし、
駅のホームでは足の踏み場に困るほど人々が寝っころ返っている。
大通りはクラクションの音で溢れ返り音の渦。
鳴らせば例え対向車線から車が来ようとも追越ができると思っている。
しかし、それなのに、それなのに「神」を信じるのである。
多数であるヒンドゥー教はもちろん神聖な動物である牛の肉は食べないし、
ガンジス川の水に浸かれる事を一番の事だと思っているのだ。
神聖な物を崇める場合、そのようないわゆる「マナー」的な物をしっかりする事で信仰は深められる物だと思っていた。
しかしその「当たり前」はインドでは通用しない。
日本で仮に、ポイ捨てしまくり、交通違反なんて当たり前。人に席を譲るなんて有り得ない。
っというおじちゃんが存在したとしたら、そのおじちゃんは恐らく「神なんかくそくらえ!」だろう。
だが、インドではそれが「有り」なのである。
周囲の迷惑なんて気にしなくていい。迷惑をかけるのは当たり前なのだから。迷惑をかけずになんて生きられるはずが無い。
確かに、人に迷惑をかけるかわりに、自分がやられる立場になったらそれを受け入れている場面を数多く目撃した。
日本の場合、ホンネとタテマエは別。多少ムリをしても相手の気分を害する事はしない。
インドだとホンネとタテマエは一致する。
中国を旅行したときも感じたが、この広大な国土と莫大な人口、様々な人種を抱える国で秩序をもたらす為には日本式のやり方でなく
インド式でなければ成立しないのかも知れない。
旅行仲間からさんざん言われてきたインド人のウザさ。
この生活観出すぎである人々は確かにウザい時もある。
アクドイインド人も何人か遭遇した。
特に旅行者目当ての商売人達は90%横柄で、怠け者で、見下した態度で接してきて腹立たしい。
私達を指差し、「ジャパニー、ジャパニー」。
特に日本語を操るインド人には本当に辟易した。
相当な数の日本人を騙してきたのかこちらを「カモ」としか感じていない話口。
こいつらは自分が日本語を話せる事を心の底から得意げで一方的に話をまくし立ててくる。
「日本のどこからキタ?トーキョー?オオサカ?俺オオサカに友達いる、2人。
1人はインド料理で成功して店を持ってる。俺の兄弟も日本人と結婚したんだ。」
これを間髪入れずまくし立てるのである。嘘か誠か知らないが、こちらが聞いてもいない聞きたくも無い話を、
自分の欲求で話すだけの人物なんてインド人に限らず大嫌いだ。
とにかく、外国人目当ての連中はどうしようもない。
しかしそれがすべてのインド人に適用すると思ってしまったら大間違いな所がインド。
親切な心優しい人々もたくさん出会った。
にこやかな笑顔で接してくれる庶民の人々に何度助けられたかわからない。
ローカルな生活を営んでいる人々は優しく、やせ細り、お世辞にもキレイとは言えない身なりで真っ黒に日焼けした数多くの労働者。
暑さの中、必死にペダルを漕ぎ僅か10円程度のお金を得るために汗だくで働く人々。
しかしそれを横柄な態度でコキ使う小奇麗な格好をした太目の親父。
客がいるにも関わらず一歩も動こうとしない店のオーナー。
カーストの事、ヒンドゥー教についての深い知識は持ち合わせていないが、
しかしどんなに不平等でも無言で黙々と過酷な労働をこなす姿には心を打たれた。
もちろん自暴自棄になってしまっている人も多くみかけたけれども。。。
とにかく一括りにこうだ!とは到底言い切れない。
今日もインドではリキシャマン達の客引きの声、それを蹴散らすバイクのクラクションが溢れ、
牛は道のど真ん中で交通を妨げ、道ばたにはゴミがコレでもかと言うほどに放置されている。
日本と同じ地球上での出来事。毎日繰り広げられているお祭り騒ぎ。
絶対に忘れないようにしたい。
あのチャイ屋の幼い少年も、リキシャのおじちゃんも、
恰幅の良い偉そうなおじさんも、肉体労働に励む質素なサリーを着たおばちゃんも。
みんな同じ時代を生きているという事。それがインドで感じた事のすべてだ。
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